「ナベさんの気ままなラジコン日記」(47)~チップマンクの初飛行(番外編)~(2010/09/24)
SALTOの製作が途中ですが、今週は友人のスーパーチップマンクの初フライトの模様をお届けします。
その前に、今週はお便りが届いていますので、ここでご紹介します。
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いつも楽しく拝見させていただいています。
私も、グライダーの静寂さに病みつきになり、もっぱらグライダーの飛行&製作を楽しんでいます。
実は今、アートホビー製のグライダーを製作しているのですが、海外の製品は説明書が乏しく(理解しがたく)、とても苦慮しております。
渡辺さんはどのような点に気をつけて製作されていますか?
もし良かったら、グライダー特集でアートホビー製のグライダーを製作してみていただけませんか。
値段も手ごろで、是非KKhobbyでも販売していただきたいと思います!!!
是非是非!!
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お便りありがとうございます!
海外製の機体は、だいたいのところ説明書が良く書かれていない物が多いですね。
今、わたしが製作しているSALTOも、製作の手順が全くといって良い程書かれていないのですが、グライダーを何機か作っていると製作方法にも応用が効いてきて、 「それならそれで、自分の作りやすい方法で作ってやる!」と闘志が涌いてきます。
さて、私が気を付ける点について書かせていただきます。
1 接着剤の選択
昔のバルサキットは、セメダインCと瞬間接着剤とエポキシがあれば用が足りたのですが、最近は発泡スチロールやFRP、カーボン、アベチなどなど色々な素材が使 われるようになったので、接着剤もその場に応じて使い分けています。弾性エポキシ、スーパーX、それに加えて最近使用しているのがコニシのSUです。ほとんどの 物が接着できて乾燥時間も早くて重宝しています。
2 重心位置
まず、何はともあれ重心位置です。とりあえず初フライトでは説明書どおりに設定しておいて、飛びに合わせて前後に調整します。小型機の場合、釣り具屋で売っ ている鉛の板がバラストに便利です。
3 主翼のねじれ
機体の後方から見るとよく判ります。ねじれを発見した場合、逆にねじりながら熱を加えて矯正したりします。
4 左右の重量バランス
機体を平らな台の上に静かに置いて、どちらかに傾かないか確認します。傾いた場合、軽いほうの主翼の翼端にオモリを接着します。以前、某ラジコン雑誌に「左 右の重量バランスは取るべきか」という設問があって、わたしは「取るべき」と書いたのですが、その記事の判定は「×(取る必要がない)」になっていました。こ のことについて編集部に対して猛攻撃をして、結局翌月の誌面に訂正文を載せてもらった苦い経験があります。
5 主翼のアタックアングル(迎え角)の調整
大概のグライダーの場合、胴体の中心軸線と水平尾翼は平行になっているのですが、水平尾翼がT尾翼だったり、主翼の翼型にキャンバーがついていたりすると迎え 角がよくわからない場合があります。主翼と胴体の間に厚紙を何枚が入れて、機体の姿勢や滑空比を調整します。
だいたいこんな所に気をつけていますが、動力を持たないグライダーの調整は微妙です。長期的なスパンで根気良く調整してみてください。飛び方が変わります よ!
話はチップマンクに戻ります。
このスーパーチップマンクはKKHOBBYで発売している機体で、全長が810mm、翼幅が998mm。エンジン機でいうと10クラス程度の大きさの機体です。しかし、 あの有名なアート・ショール氏のエアロバティック機ですから、とても派手で大きく見えるデザインです。
スーパーチップマンクをローアングルからパイロットの目線で撮ってみました。まるで本物のスーパーチップマンクのような雰囲気が出ています。
リポは家庭用のメラミンスポンジを切って、そこに収納します。これはオーナーのアイディアですね!
リポはKYPOMの3セル2200mAhを使用しています。
受信機は毎度お馴染みHENGEの8CHシンセサイザーRP82Lです。
リポをメラミンスポンジに収納すると、こんな感じになります。振動が吸収されて、多少のハードランディングでも安心です。
キット付属のピアノ線とノイズレスチューブはリンケージが渋かったので、エレベーター、ラダー共にワイヤーリンケージに変更しました。ニュートラル付近の甘 さが取れて、オーナーも大喜びでした。
初飛行の前にパワーユニットのデータを取っておきます。ブラシレスモーターはE-MAXのBL2215/20を使用しています。
APCの9×6のペラを8,820回転で回します。電流値は20.2Aを示しました。
最初は離陸前の助走で大きく左に取られました。何度やっても左に取られるので、機体を良く見たらサイドスラストが付いていません。ラダーのサブトリムを3度 くらい右に取って、さらに足りない分はラダースティックを打ち続けながら離陸させました。
チップマンクを追い風に入れるとスピードが増しますが、上空でトリムが取れると、中々素直な運動性能を示します。
写真撮影のために周回飛行を続けます。低速でバンクをかけても巻き込むような挙動はありません。至って操縦しやすい機体です。
チップマンクがこっちに向かってきます。なかなか迫力ある姿勢です。良く見るとテールギアも若干左に曲がっていますね。これも直さないと。
チップマンクは裏面のデザインも派手です。この日の朝は、一面に朝靄が漂っていたのですが、視認性は抜群でした。
トリムは取れたのですが、スロットルを吹かすと頭上げが顕著に出ます。どうやらダウンスラストも不足しているようです。
スーパーチップマンクの初フライトが成功してホッとしているオーナーのNさん(右)。①モーターにサイドスラストとダウンスラストを付けること。②重心位置をも う少し前に持ってくること。③タイヤを大きくすること。④テールギアの方向を調整すること。など、いろいろと課題はありますが、これをやり遂げれば、かなり 飛ばしやすい機体になることでしょう!
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