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「ナベさんの気ままなラジコン日記」(44)~SALTOの製作①~(2010/09/3)


今週からKKHOBBYで販売されているSALTOを製作します。
SALTOは1970年代にドイツのグラスフリューゲル社で製造されたスタントグライダーです。SALTOの語源はドイツ語で「宙返り」を意味しています。そういえば、昔オリンピックの体操競技で、ムーンサルト(月面宙返り)という着地の演技がありましたが、あのサルトが語源なんでしょうね。
SALTOのキャノピーの形状はリベレのそれに良く似ているのに気づきます。これはリベレがH-101SALTOの設計のベースになっているからです。しかし、リベレが通常の尾翼形状であるのに対して、SALTOでVテールに変更した経緯については、残念ながら私も良く知りません。

スロープエリアに行くと、たまにSALTOのオーナーに出会います。彼らと話していると、ほとんどの方はSALTOを「サルト」と呼んでいますが、たまに「ザルト」と呼ぶ方がいます。どうやら彼らはSALTOがドイツで生産されたグライダーであることを知っていて、このグライダーに敬意を表してドイツ語読みで「ザルト」と発音しているようです。
SALTOの特徴はVテールの尾翼構造にあります。T尾翼のラジコングライダーがハードランディングすると、垂直尾翼に収められたエレベーターサーボの慣性重量により、よく垂直尾翼の根元から折れます。SALTOの場合、それが無いので、いくらか安心材料になるのではないかと思います。

このキットはスパン2.5mでスロープエリアに担ぎ上げるには手頃なサイズです。胴体はFRPの塗装仕上げ、主翼はバルサリブ組みフルプランクの上にフィルムが貼ってあります。フラップはフィルムを利用したエラスティックヒンジで、舵角が少々足りませんがなかなかスマートです。エルロンはシートヒンジで、オーナーが接着するようになっています。これだけの内容でKKHOBBYで14,800円で売られているのですから、もう安いを通り越して開いた口が塞がりません。本当に良い時代になりました。

それでは、写真を見ながら解説を進めていきます。



胴体の内側を見てみます。タイヤハウジングもグラスで丁寧に整形取り付け済みです。カンザシ受けとカンザシはカーボンパイプが標準装備となっています。ラダベーター(ラダー+エレベーター)のロッドはピアノ線+ノイズレスチューブですが、胴体内の途中で支持するための胴枠が設定されています。



メインギアも標準装備で、しかも取り付け済みです。痒いところに手が届く仕様ですね。



モーターマウント部分は、胴体の内側からベニヤが接着されています。フライトを重ねていく内に剥がれるといけませんから、今のうちにスーパーXあたりで補強接着しておくといいですね!



カンザシ受けに、カンザシがスムーズに入るか試していたら「バリッ!」という音がして、カンザシ受けが剥がれてしまいました。どうやらカンザシ受けが胴体に接着されていなく、表面の塗装だけで固定されていたようです。



まず先に、カンザシ受けを胴体の内側から瞬間接着剤で固定します。外側から接着するとカンザシ受けの中に接着剤が浸透する恐れがありますので避けてください。



瞬間接着剤が乾いたら、その上からホットボンドで確実に接着します。ラジコンのモデラーなら、この程度のことは問題視しません。むしろ「製作前に気が付いて良かった!」程度に考えるべきでしょう。



次に付属のパーツの確認をします。このキットは製作の説明書がほとんどありませんので、付属のパーツをひとつひとつ確認しながら、そのパーツの用途を想定していきます。これは、エルロンとフラップのサーボカバーです。他のASW28とDG-1000のキットに入っている物と同じで透明のプラスティック製です。



主翼を固定するヒートンとスプリングです。なぜか2組入っていました。日本人の感覚では使っても1つで、後はアライメントピンで固定します。



同じホーンが6つ入っています。エルロンが2個、フラップが2個、ラダベーターが2個と、全部共通のパーツらしいです。エルロンとフラップのロッドが4本、サーボベット用のバルサブロックも4組入っています。



短いタッピングビスが4個×4組。これはサーボカバーを主翼に固定するタッピングビスです。ロッドクランパーが6個。長いタッピングビスはV尾翼を胴体に固定するビスらしいです。残りの2本のビスは・・・良く判りません!^^;



デカールはブルーの文字です。KKHOBBYのサイトを見れば貼る位置が分かると思います。ロッドは太くて硬い物が用意されています。剛性感はあるのですが、リンケージが直線的に取れなかった場合、渋くならないか気になるところです。カンザシはカーボンパイプを使用しています。



これが、申し訳程度の取扱い説明書です。最低限度の事が書かれています。元々の想定がピュアグライダーだったようです。まぁ、製作の方法なんて、どれも似たようなものですが。



ここからは別売のパーツです。タワープロのMG90S。
金属ギアのマイクロサーボです。これは、今回エルロンとフラップに使用します。
私もフラップなど着陸でギアを舐めやすい箇所に使っています。小さくてお手軽価格で、なかなか使いやすいサーボです。



タワープロのスタンダードサーボSG-5010。
ラダベーターに使用します。普段マイクロサーボを見慣れているので、久しぶりの標準サーボはかなり大きく感じます。ダブルホールベアリングを装備した堅牢な仕上げ。トルクが5.2Kg/cm。十分過ぎます!^^;



今回使用するブラシレスモーターは、FSD FC3542-6Tです。
参考データを見るとリポ3Sで、11×7のプロペラを回すと28Aとなっています。私は11×8の折りペラを使う予定なので、MAXで30A前後、クルージングで20A程度と想定してパーツを組みます。推力も1.5Kg近く出て、強力のひとことです。



折りペラは11×8のBタイプを使用します。
アルミスピンナーは直径43mmのBタイプを使用します。



アンプはHi-Modelのプロフェッショナル40Aです。
バランス型ではありませんが、最近のアンプにはトロイダルコアが挿入されていて、信号ラインに乗る高周波ノイズをカットして、誤動作を防いでいるようです。BECが3Aですから、今回サーボを6個使用するので、別電源の方が良さそうですね。



最後に延長ハーネスが8本です。
長いものから45cmがエルロン用 2本
30cmがフラップ用 2本
15cmが受信機からの接続用 4本

です。

今週は、おおよそのパーツの解説をしました。
来週はバタフライミキシングの仕方について解説します!


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