「ナベさんの気ままなラジコン日記」(28)~DG1000リトラクトのフライトインプレッション~(2010/05/14)
いよいよDG1000リトラクトの初飛行の日が来ました。風速は0~2m/s、気温は16度C、快晴。初フライトには最適なコンディションです。私が製作したDG1000リトラクトの総重量は825g(機体重量730g+3S1300mAh付属リポ95g)になりました。重心位置は取扱い説明書どおりに作って、モーターパイロンを立てた時に前縁から46mm、パイロンを胴体内にしまった時に前縁から53mmと、これまた説明書どおりになりました。早朝の広場で機体を組みます。充電したてのリポを接続してスロットルをHiにしたところ電流値は12.7A、プロペラの回転数は11,000回転となりました。付属のリポの最大電流は10Cですから、容量的にはギリギリセーフです。モーターとアンプのスペックが分かりませんが、11,000回転は、ちょっと回り過ぎです。しばらく放電すれば9,000回転あたりで落ち着くことでしょう。
機体が軽いので一人で手投げしようとしたのですが、プロペラの推力が強すぎるのと、発泡の胴体が滑るので、なかなか上手くいきません。助手に手伝ってもらうか、どうしても一人で離陸させる時は60%くらいの推力で手投げして、機体が手を離れてからフルスロットルにすると良いでしょう。
オートモードにセットして手を離れたDG1000リトラクトは、ストレス無く上昇していきます。20秒くらい上昇させたところでスロットルをスローにすると、「ガツン!」というやや大きめの音がしてプロペラが止まり、モーターが胴体に収納されました。パイロンを収納した後は、とてもスマートなグライダーの形になります。機首に折りペラがありませんから、本当のスケールグライダーを楽しめます。この辺はとても気持が良く、リトラクトタイプのグライダーの醍醐味が味わえます。エルロン、エレベーターの舵にはエクスポーネンシャルをかけなくても、発砲スチロールの弾力性からか適度な舵の効きを示します。
旋回を終えて風上に機首を向けたると、機首が上を向き、翼端失速を起こしそうな挙動を示したので、機首にバラストを積むことにしました。10g、20gとバラストを増やしたところで機体の侵入性も良くなり、大変飛ばしやすいグライダーになりました。強風時のフライトを想定すると、もう少しバラストを積んで、せってぃんぐを 煮詰めていきたいと思います。
さて、プロペラが大きな音を立ててストッパーに当たる対策を考えなくてはなりません。ギアスイッチを手前にするとオートモードとなり、スロットルを下げた時点でプロペラがストッパーに当たる構造になっています。スロットルを急激に下げると、今まで高速で回転していたプロペラの回転数が落ちる時間もなくストッパーにぶつかって大きな音を立てているのです。一方、ギアスイッチを奥側にするとノーマルモードになり、モーターパイロンは立ちっぱなしで、モーターの回転数のみをコントロールすることになります。いろいろと試行錯誤の結果、離陸上昇中はノーマルモードにしておき、上空で滑空させる時に、プロペラの回転が十分に落ちたのを見計らってからオートモードに切り替えれば、プロペラのショックはかなり少なくなりました。欲を言えば、グライダーが風下に向いた時にバイロンを収納すると更に効果的です。再度、上昇させる時には、またノーマルモードに切り替えるといった具合です。
バラストを積んで重心位置の調整が済んだDG1000リトラクトは、とても気持ちの良い滑空をします。手軽なサイズでスケール感が楽しめ、更にモーターパイロンのメカニズムも興味深いものなので、フライトエリアでも自然とギャラリーが集まってきます。旋回がぎこちないようでしたらエルロン→ラダーミキシングを入れてみましょう。私も15%から初めてフライトを重ねながら、徐々に調整を煮詰めています。
最後にランディングですが、もし滑空性能が良すぎてオーバーランしてしまいそうであれば、グライダーがファイナルアプローチに入ったら、ノーマルモードにしてわざとモーターパイロンを立ててスポイラー代わりに使うのも効果的です。
DG1000リトラクトを組み立てていると、自然と仲間が寄ってきます。リトラクトシステムの構造に興味津々です。私はというと、早朝の寝ぼけた頭で「左エルロンが6CH、右エルロンが2CH」と、声に出しながら確認しています。
離陸前に声に出しながらプレフライトチェック(飛行前点検)をして各舵の動きに異常はないか点検しています。発泡スチロールの胴体にワックス(剥離剤)が残っていると滑りやすいので、フルパワーでの発進は控えます。
手を離れたDG1000リトラクトは程よい上昇スピードで大空に吸い込まれていきます。20秒もモーターランを続けていると、まるで点になります。
グライダーの機首が風上に向くとピッチングを起こし、翼端がバタついて失速気味になります。
急遽着陸させてから、機首にバラストを積みます。10gの鉛板を2個積みました。
20gのバラストを積んだら、DG1000リトラクトは見違えるほど良く走るグライダーになりました。多少の風にも翻弄されず、安心して思い切った舵が打てます。エリアによっては、もう少しバラストを積みたい気分です。
上空でモーターパイロンを出し入れしてみました。その時の重心移動による操縦性の変化は気になりませんでした。
バラストを積んだDG1000リトラクトの進入性は格段に向上し、ファイナルアプローチに入ってからも、よく走っています。同じモーターグライダーでも、機首にプロペラが無いと、とてもすっきりして見えます。
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