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「ナベさんの気ままなラジコン日記」⑯~電波のお話~(2010/02/19)

今週は電波のお話をします。 ひと言に電波と言っても非常に広範囲ですから一晩かかっても語り尽くせないのですが、今回はラジコンを楽しむ上で必要最少限の内容を サラッと触れることにします。
 電波は交流です。普通交流と言えば家庭のコンセントから取れる電源をイメージすると思います。関東以北は周波数が50Hz〔ヘルツ〕(関西は60Hz)ですから、 1秒間に50回プラスとマイナスを交互に繰り返しています。しかし、この程度の低い周波数では電波として空中に放射されません。
例えばラジコンで使われている電波の周波数ですと

  40MHz=40×10の6乗Hz=4千万ヘルツ
  72MHz=72×10の6乗Hz=7千2百万ヘルツ

となります。
また、最近の2.4GHzに至っては

  2.4GHz=2.4×10の9Hz=24億ヘルツ

となりますから、いかに速いスピードでプラスとマイナスが変わっているか判ると思います。
 ちなみに、40MHzと72MHzは超短波帯(VHF:Very High Frequency)に属し、2.4GHzは極超短波帯(UHF:Ultra Hig h Frequency)に属します。
 周波数が高くなるにつれて、電波の伝播(飛び方)は、光の性質に近づきます。つまり、直進性が強くなり、障害物があると、その影となる部分には電波が伝わらないな ど、非常に条件がシビアになります。
 アンテナの種類や方向によって電波の伝わり方は変わってきます。この特性を指向性といいます。仮に、送信機を地表に垂直に立てたとします。図1は送信機を真上から 見た図です。上から見るとどちらの方向にも均等に電波が放射されていることから、このような状態を無指向性といいます。
次に、送信機を真横から見た図が図2です。左右に半円形のパターンがありますが、立体的には穴のないドーナツ状に放射されるとイメージしてください。要するに、アン テナの直角方向には電波は飛びやすく、アンテナの先端方向には電波が飛びにくいということが判ります。2.4Gの送信機のアンテナが直角に折れ曲がっているのは、U HF帯の電波は大変シビアですので、少しでも有利に電波を放出させるための工夫です。








 次に波長を比べてみましょう。波長は次の公式で求められます。

  波長〔λ〕=1秒間に進む光の距離〔m〕/周波数〔Hz〕

40MHzの波長は

  300×10の6乗/40×10の6乗=7.5m

となります。
同様に計算しますと

  72MHzの波長は約4.2m
  2.4GHzの波長は12.5cm

となりますから、2.4GHzの波長が突出して短いことが判ります。
 ここで波長の話をしたのは、波長の長さとアンテナの長さには相関関係があるからです。非常に乱暴な言い方をしますと、アンテナの長さは、アンテナの種類にもよりま すが1/4波長か、その整数倍で電波と共振しています。(ローディングなどで電気的に短縮されている場合は別)従いまして2.4GHzの送信機のアンテナは非常に短く 感じられますが、先ほどの波長からすると妥当な長さに設計されています。

 電波は電界と磁界が90度交差して飛んでいきます。そのことはとりあえず置いておいて、要するに電波には向きがあります。例えばテレビアンテナのように水平にエレ メントが伸びているアンテナで受ける電波を水平偏波といい、自動車のアンテナのように垂直に受ける電波を垂直偏波といいます。
 ラジコンの場合、送信機の持ち方から見ると水平偏波ですが、飛行中の飛行機は複雑な動きをしていますから、受信機側から見ると偏波面は刻一刻と変化しています。V HF帯なら、まだ許容範囲ですが、UHF帯になると非常にクリティカルになるので、アンテナを2本90度に交差して、どのように乱れた偏波面でも、電波を受信しやす くなるように工夫したアンテナもあります。


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