「ナベさんの気ままなラジコン日記」(503)~瞬時に着かない瞬間接着剤???~(2019/07/12)
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読者の皆さん、お元気ですか?
今、私がこの原稿を書いている時に、九州の南部では記録的な大雨が降り、市民生活に甚大な被害が出ているという情報が入っています。どうか、早めの避難に備えてご近所とも連絡を取り合い、厳重な警戒をお願いしたいと思います。
私の住む千葉県でも梅雨入りしたため、せっかく修理したズリンが、なかなか飛ばせない状況が続いています。天候が回復し、滑走路のコンディションが良くなったら、再びフライトの様子をご報告しますので、それまで申し訳ございませんがしばらくお待ちください。
さて、ラジコンの話題に移ります。
私の入会しているラジコンクラブ内で、とても興味深い話をお聞きしました。クラブの中ではベテラン中のベテラン、ラジコン界の重鎮のYさんが仲間と話しています。 『古いバルサキットって、瞬間接着剤がなかなか着かないんだよね!』
「ん? なんでやねん?!」
『瞬間接着剤って湿気に反応して着くから、古いバルサ材は着かないのよ』
「なんで古いバルサ材はダメなの?」
『バルサ材が古くなると乾燥するから、中の水分が飛んじゃうんだよね』
「指はよく着くのにね!」
『そうそう! 指は表面に湿度があるから着くんだよ。それに瞬間接着剤は元々医療用に開発されているからね!』
そこで私も話しに参加しました。
「私、昔のバルサキットたくさんストックしてあるけど大丈夫かなぁ~???」と。
そんな訳で、今週はいろんな接着剤を使って、古いバルサ材を接着する実験をしてみました。
それでは、今回比較する接着剤を用意しました。
左から言わずと知れた瞬間接着剤、そして真ん中がデブコンのエポキシ系接着剤30分タイプ、右側は知る人ぞ知る昔懐かしいセメダインCです。
まず最初に瞬間接着剤から試します。
使用するバルサ材は私がストックしているスクラップバルサの中でも、ひときわ古い物を用意しました。おそらく入手してから30年位は経っているものと思います。 2mm厚のバルサ材を30mmの短冊状にカットして10mm程度重ねて接着します。
バルサ材を持ち上げてみると、あれ? 噂どおり瞬間出来ていません。ていうか、指に着いてしまいます。
仕方がないので、バルサ材を水に濡らしてしばらく置き、再び瞬間接着剤を着けて更にその上からアクセラレーターを吹きます。
今度はかろうじて着きましたが、念のためしばらくこの状態で放置しました。
次はセロダインCです。
セメダインCの主成分はニトロセルロース樹脂で、透明で短時間で(当時としては^^;)接着し、サンディングが出来ることから、昭和の頃は模型用接着剤の定番でした。その後、瞬間接着剤が市場に出回ったことによりやや元気がなくなりましたが、今でも隠れた愛好家が少なくありません(私のことか?!)。
次はエポキシ系接着剤です。
メモ用紙の上でよく練ったら、ピアノ線を使ってバルサ材に塗ります。
さて、3種類の接着剤を使って古いバルサ材を接着しました。
念のため、このまま一晩放置してみます。
一晩経ちました。最初に瞬間接着剤です。
湿気が足りないと思い、水を付けてしばらく放置したバルサ材を瞬間接着剤とアクセラレーターで固めたものです。
ん~、着くには着きましたが、少し力を入れただけでパリンと取れてしまいました。
上がセメダインCで下がエポキシ系接着剤を使って接着したものです。どちらも力を加えても剥がれません。
となると、古いバルサ材にはセメダインCのような古い接着剤の方が相性が良いということなんでしょうか(笑)。エポキシ系接着剤はその成分と粘性からかショックにも強く、なかなか健闘してくれます。
一方、瞬間接着剤の場合は正直にいって空中分解してもおかしくない程の強度です。古いバルサ材に使うのは良くないというのは判りましたが、どれ位新しいバルサ材なら良いのかというと、バルサ材一つひとつに賞味期限が表示してありませんから何ともいえません。
つまり、これから古いバルサキットを作ろうと思っている方は、キットの端材を使ってこのような実験をしてから製作を開始すると良いということは言えますね。
まるで、自分で自分を戒めているようです!^^;
それではまた来週! (^o^)/~~
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