「ナベさんの気ままなラジコン日記」(478)~お便りのご紹介①~ (2019/01/18)
ナベさんのプロフィール(過去の日記はこちら)
デカスロンの試験飛行が無事に成功しましたが、まだエンジンの調整が残っていますので、今後はエンジンの調子を見ながらカウリングの取り付け作業を進めることにします。
という訳で、今週は貯まりにたまった読者の皆様からのお便りをご紹介します!
まず最初はこの方から!
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嬉しい事に 今年は新入会員が増えて久しぶりに活気が少し戻った感がありますが、持ち込まれる機体は殆どが発泡やARFキット。初心者にありがちな”最初の頃は欲しいと思った機体をどんどん買ってしまう病”で 墜落による破損も増えています。しっかり練習機で飽きるまで飛ばしこんで欲しいのですけどね。
ですが 私の目から見たらすぐ直る程度の破損も 修理が出来ないと言う事ですぐに次の機体を注文してしまうと言う 少し寂しい状況です。
とあるイベントで 墜落して放置したスタント機があるんだけど と言う事で拝見した所 一応修復らしき事はしてありましたが 割れたバルサやべニアに瞬間流して終わり とか 無意味な部分にバルサで不要な補強を行ってあり 直し方が分かってないんだなと改めて思いました。(かなりのRC歴を持つ方です)
そこで預かって修復が不十分・間違った直し方をしてある部分を全て修理したところ 今は元気に飛行しています若干の手間は掛かりますが それも楽しみの一つかと思います
そこで ”ARFや発泡機と長く付き合う方法”として これならまだこうすればちゃんと飛べるんだぜ! と ナベさん流の修理方法を載せてみてはどうでしょう?
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お便りありがとうございます。それから修理方法の紹介についてのご提案ありがとうございます。
私がラジコン飛行機を始めたのは昭和54年(社会人になった年でしたから覚えております)でした。その頃は機体キットもエンジンもプロポも大変高価でしたから、墜落させると必死になって直しました。また、当時は指導をしてくれる人も少なく、練習方法も体系化されていませんでしたから、いや~落ちること落ちること! 気が付いたら修理のノウハウも自然と身についていました(笑)。
以前は、社会環境への影響を考えて、『墜落の話はタブー視』されていたところがあります。しかし、インターネットが普及して正しい情報も首をかしげたくなる情報(笑)も瞬時に伝達される時代になりましたから、本音で語られてる機会が増えました。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、今回のデカスロンの製作記事の中には、補強のし方やちょっとしたアイディアを積極的に載せてきました。
これからも修理の機会がありましたら日記の中でご紹介してまいります。
さて、次のお便りです。
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いつも楽しく拝見しております。
以前、京商のYS11を制作されておりましたが、現在私も同じシリーズのフレンドシップを制作中です。そこで質問ですが、左右のモーターのサイドスラストはどの位付ければいいのでしょうか?また逆ピッチペラを使用する場合、左翼側(外回り)か右翼側(内回り)のどちらに取り付ければいいのでしょうか? 御教示頂ければ幸いです。
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お便りありがとうございます。
この方には下記のとおり直接メールさせていただきました。
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私のYS11のサイドスラストはほとんど付いておりません。双発機のモーターの推力軸は機体のロール軸の中心からかなり離れておりますので単発機に比べると反トルクの影響は受けにくいです。エンジン機の場合は片肺になる可能性がありますので左右に開く方向にサイドスラストを付けることもありますがモーターの場合は付けなくても問題はありません。
反トルクを打ち消す意味で逆ピッチペラを使用するというお話だと思いますが、理論上、左右どちらに付けても問題ないと思います。私の場合、スケールペラを付けたかったので、左右どちらも正転のペラを使用しています。サイドスラストもほとんどありませんが、それでも離陸時にあまり左に取られることもなく、素直に加速していきます。
問題は着陸時の第3旋回で失速させて落とす人をよく見かけます。ただでさえ追い風で失速しやすいのでパワーもハーフスロットル以下にはせず、実機のようにバンク角も30度くらいとし、回転半径も大きく取ってから滑走路に進入してください。スロットルを絞るのは滑走路に正対してからにすると安全です。
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するとまたお返事をいただきました!
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早速丁寧な説明を頂き、ありがとうございます。大変参考になりました。
サイドスラスト無しでYS11のあの飛行は、流石ですね。
着陸の際はついついスピードダウンしがちですが、気を付けないといけないですね。
ラジコン日記、これからも楽しみにしております。
ありがとうございました。
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という訳で、このおたよりは一件落着しました。
ところで・・・。
久々に反トルクの話が出ましたので、簡単な実験をしてみたいと思います。
例によってデカスロンのカーボンパイプ(カンザシです)を使用してみました。
カーボンパイプを飛行機の主翼に見立ててパイプの中央を握ります。そしてバトンガール(バトンおやじですが)の要領で左右に回転させます。すると左右の重量バランスとモーメントが等しいですからパイプは簡単に回ります。
つまり、単発機のように機体の中心にプロペラが付いている場合、プロペラの回転による反トルクの影響を受けやすいということが分かります。
次にパイプの中心からずれた位置を握って、同じ様にパイプを回転させてみましょう。読者の皆さんならすぐにお分かりのとおり、パイプを回すのには力が要ります。どのくらい差が出るか、みなさん実験してみてください。かなりの差に驚くはずです。
双発機の場合、プロペラの回転軸が機体の中心から離れているため、反トルクの影響が少ないことが分かります。
ここで、『双発機はプロペラが2つなんだから、反トルクも2倍やろ!』というツッコミも想定されますが、単発機と双発機を同じ条件で考えた場合、単発機のトルクを1とした場合、双発機のトルクは0.5×2となりますから分散されているだけで反トルクは同じです。
よって、双発機の反トルクは単発機に比べてあまりクリティカルなものではないと考えられます。
(諸説あります。)
次に反トルクとは、実際どのようなものか体験してみましょう!
プロペラ(何でもいいです!^^;)と適当なボルト、ナットを用意します。
プロペラにボルト、ナットをしっかりと取り付けます。
出来ました! こんな感じです。
電動ドリルのチャックに取り付けてみました。
回転させたときにプロペラが飛ばないようにしっかりと固定します。
プロペラを回転させます。
この時、プロペラの前面には人がいないように十分気をつけてください。私の場合、カメラはセルフタイマーにして、万一プロペラが抜けても怪我をしないように前面の壁にはカーテンが引いてあります。
くれぐれも自己責任でお願いします。
さて、プロペラの反トルクを体感してみてどうだったかといいますと・・・。
①反トルクを感じるのはプロペラの回転数(角速度)が変化する時で、一定回転に達すると反トルクは感じにくい。
②反トルクはプロペラの回転数が増加する時も減少する時も感じる。
③反トルクはプロペラの回転数の変化(角加速度)の量に比例する。
(あくまで感覚です!^^;)
ということが分かりました。
このことから、特に尾輪式の機体の場合、離陸時はスロットルをひとコマひとコマていねいに開いていき、機体が直進するのを確認してから徐々に開く必要があるということが分かります。
まぁ、ある程度機速が付くと垂直尾翼に気流が当たり機体も安定しますから、それまでの辛抱ということですね!
それではまた来週! (^o^)/~
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