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「ナベさんの気ままなラジコン日記」(425)~ハイボルテージリポを検証する(0.1Vの攻防)~ (2018/01/05)

ナベさんのプロフィール

(過去の日記はこちら)


読者のみなさん、明けましておめでとうございます。
昨年はみんさんのRC活動はいかがでしたか?
私はせっかくメンテナンスを施したパイパーカブJ3を墜落させてしまったりと散々でしたが、そんなことにもめげず、今年もマイペースでラジコンライフを楽しんでいきたいと思っています!

な訳で、今年も「ナベさんの気ままなラジコン日記」をよろしくお願いします。

ご意見、ご感想などありましたらお便りくださいね!
ちゃんと読んでいますから!^^;


さて、今年の第一弾はハイボルテージリポをテストしてみます。
どうなることやらお楽しみください!^^;



これが最近、巷に出回ってきた噂のハイボルテージリポです。
電圧が1セルあたり3.8Vと従来のリポに比べて0.1V高くなっています。

パッケージは稲光が夜空に空中放電しているようなデザインです。
すげー!
空中放電するなんで何万ボルトの起電力なんでしょうか?!

しかもパッケージには「KYPOM}のロゴは消え「KKHOBBY」に変わっているではないですか?!
ついにKKHOBBYはバッテリーを製造することになったのか?!
いつかはKKHOBBYのバッテリー工場に潜入リポートをせねばなりませんね!

という冗談はさて置き
今回テストするハイボルテージリポは4セルの2600mAhです。
端子電圧は3.8V×4セル=15.2Vですから、何んとなく頼もしい気分になります!^^;



従来の4セル2600mAhのリポと寸法を比較してみましょう。

従来のリポは縦42mm、横135mm、厚さ20mm(コネクター、ケーブルを除く実測値)でしたが、ハイボルテージリポの場合は縦は42mmと同じですが、横が3mm短く、厚さが1mm薄く、若干ですがスリムになっています。

また、重量は従来のものが260gですが、ハイボルテージは245gと15g軽量化されています。



出荷時のセルバランスを測定してみます。

各セル間の電圧差は最大0.003Vでした。
良くバランスが取れています。



それでは最近購入した充電器HitecのマルチチャージャーX2AC250で充電してみましょう。



この充電器は比較的新しく発売された物ですので、当然といえば当然ですがハイボルテージリポの充電モードがあります。



充電電流とセル数を設定したらENTERを押しますと「本当にハイボルテージリポですよね?!」という警告画面が英語で現れます。
ここで更にENTERを押すと充電が始まります。



次に実際の推力を測定してみようと思います。

これは飛行機を使って旅行に行くときに荷物の重さを測る簡単な秤です。
3,000円位だったかな。
ネットを通じて購入しました。



中身はこんな感じです。

最大50Kgまで10g単位で測れます。
精度の問題もありますが、測定範囲は十分です。



それでは実際にフィールドで測ってみましょう。

この画像を見て
「芝生の上だと抵抗があるから低い数値になるんじゃない?」」とか
「実際に飛ばさないと正確な数値は測れないだろう」とか
突っ込みをいただくのを承知の上での実験です。

まぁ、絶対的な数値は測れないけれど、従来のリポとハイボルテージリポとの相対的な数値は測れるのかなぁ?! という甘い考えで実験を進めます(笑)。

横で見ていた巨匠Cさんが見るに見かねて
「ナベさん、俺も手伝うよ!」と
送信機を操作してくれました。

試験機はK&Sのパンサーを使用しました。



まずはKYPOM製の従来のリポです。
4セル2600mAh、放電能力は公称35Cと書いてあります。



エンコンスティックをフルスロットルにして5秒間、安定したところでデータを取ります。

多少の電圧降下もありますが9900回転、電流は54.8A流れています。



肝心の推力は1,790gでした。
これ、あくまで相対的数値ですから。
これがアスファルトの上なら100gくらいは上がると思います。



次にいよいよKKHOBBY製?のハイボルテージリポを試してみます。
こちらも4セルで2600mAhですが、電圧が0.4V増えて公称15.2Vになっています。



従来のリポを使用したときと同じ条件でフルスロットルにします。
すると、明らかに違いが出ました。

プロペラ10,260回転。軽く1万回転を超えています。
電流値は59.3A。
電圧は14.99V。公称電圧が15.2Vですから、思いの外電圧降下は見られません。



さてさて気になる推力ですが、なんと2,130g。
従来のリポに比べて340g増えていますから約19%の増になります。
これならフライトも期待できます。



それでは早速ハイボルテージリポに変えて離陸します。

パンサーは尾輪式の機体ですので、丁寧にゆっくりとスロットルを上げたところ、次の瞬間に尾輪を上げて猛ダッシュです。



滑走路を水平飛行でローパスさせます。
通常のフライトをしているつもりですがスロットルの位置が普段より3コマほど下がっています。



スロットルを80%くらい開いて機体をナイフエッジに入れると簡単に高度を保てます。
そこからラダーを徐々に深く当てていくと上昇していきます。
まるでナイフエッジループが出来そうな勢いです。

体感的にですが従来のリポに比べて明らかにパワーの違いを感じられます。
画像は撮れませんでしたが、垂直上昇も力強く、縦ものの演技も楽にこなせます。

パワーに余裕があるということは演技が大きく掛けるため修正舵が楽になります。



ひととおりの演技を終えてパンサーを着陸態勢に入れます。

通常の着陸ですが、トルクに余裕があるせいか横風に対する抵抗力が増したような気がします。



〔ハイボルテージリポによる飛行を終えて〕
通常のリポが1セルあたり公称3.7Vに対してハイボルテージリポは3.8Vとわずか0.1Vしか変わらないのですが、体感的には20%くらいパワーが増したような気分です。

そのため、余裕を持って演技が出来ることと横風などへの対応も楽になるという副産物が付いてきました。

また、注意しなければならない点としては
○パワーが増えた分、電流値も増えますのでアンプの許容電流値に余裕があるか確認しておく必要があります。
○消費電流が増えたことによってフライト時間が以前より短くなることを念頭に置いて飛行する必要が有ります。

最後に重要な点ですが、バッテリーが高性能になるにつれてバッテリーの管理をより適切に行わなければならないということです。
つまり、使用したバッテリーも使用しなかったバッテリーも家に持ち帰ったら早めにストレージモードで充放電をして出荷状態に戻しておいたほうが良いでしょう。
ハイボルテージリポは新しく、発売間もないバッテリーなので、はっきりした根拠は説明できないのですが、ニッカドやニッケル水素などの二次電池においても性能が高性能化する程扱いがデリケートになりますので、ハイボルテージリポの場合も理論が確立するまではていねいに扱った方が良いと思われます。


とはいえ、「もう少しパワーが欲しい」「上昇力が物足りない」と思っている機体がある方は是非ともお試しください。
そのパワーの差は、はっきりと体感できますから。




それではまた来週! (^o^)/~~



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