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「ナベさんの気ままなラジコン日記」⑤~実機に学ぶ離陸~(2009/12/04)

前にも述べましたように、模型飛行機という趣味を地域社会の中で続けていくためには、たかが模型飛行機とはいえ絶対に墜落させてなりません。今回は安全な離陸、失敗しない離陸について実機の例を視点に述べさせていただきます。
実機の世界にはV1とV2という速度があります。それ意外にもいろいろ定義されている速度があるのですが、V1は離陸決定速度といい、離陸中にエンジントラブルなどが起きた場合、V1という速度に達する前でしたら滑走路内に緊急停止することが出来ますが、V1を越えて緊急停止しようとすると滑走路をオーバーランしてしまいますから、飛び上がってから対処方法を検討します。検討といっても、ゆっくりと相談する暇はありません。
刻一刻と状況は変わってきますので、パイロットは管制塔と連絡を取りながら、マニュアルに沿って本能的に機敏に対処していきます。その止まるか、飛び立つかを決定する臨海速度をV1といいます。また、V2は安全離陸速度といい、飛行機が地上を離れた後も、安全に離陸を続行できる速度のことをいいます。
V1、V2 のように変数で表されているのは、機体重量(搭乗者数、燃料、貨物の重量)、滑走路の状態(乾燥、雨、雪、凍結)、フラップの角度、気温、気圧などによって変わってくるからです。実際には時速に換算しますと250Km/hから300Km/hあたりの速度になります。パイロットたちは、このような速度をコールしながら飛行機が離陸していきます。

このことをラジコン飛行機に応用してみましょう。残念ながらラジコン飛行機の場合は、目測以外でリアルタイムに飛行機の速度を知ることは出来ませんが、滑走路を眺めて「あの位置で離陸しなかったら、離陸を断念しよう」という位置P1を目安として作っておきます。また、機体が蛇行し始めたらすぐにスロットルを絞ります。この動作を何度もイメージトレーニングして頭の中にしっかりと叩き込みます。今まで、十分に機速がつかないのに、また蛇行してるのに、とにかく焦って離陸させて、その直後に失速して墜落という状況を何度見てきたことでしょうか。きっと、みなさんも見てきていると思います。離陸を断念することは恥ではありません。無理をして、強引に離陸させようとすることが恥じなのです。特に初飛行の場合は、信頼できる友人に助手をお願いして、冷静で客観的なアドバイスをしてもらうことが大切です。

次に安全離陸速度についてです。模型飛行機が地上を離れても、十分に機速が付くまでは急激な舵を打つことは禁物です。この時点では、機体は失速速度に非常に近く,十分な速度に達していません。舵を打つことによって機体の空気抵抗が増加して機速が落ちるのです。実機の場合、失速速度に近づくと翼から気流が剥がれ始め、操縦桿が振動し始めます。この症状をバフェットといいます。ラジコン飛行機の場合、バフェットをスティックで感じることは出来ませんが、十分に機速が付いて飛行機が安全高度に達するまでは、スティックから手を離してトリムを取る事は避けましょう。スティックのスプリングに負けないで、じっと我慢するのです。

ベテランパイロットになると、機速が十分でなくても滑走路に障害物などを見つけると、ひょいとローテーション(エレベーターアップ)してしまう場合があります。しかし注意して見ていると、その直後、すかさずエレベーターダウンの舵を打ち、飛行機を水平飛行か下降させて機速を増速させ事なきを得ています。これは、今まで飛行機を滑走させてきた運動エネルギーをエレベーターアップにより位置エネルギーに変換させたため運動エネルギーを失い、その後に失速が襲ってくるのを本能的に知っているからなのです。これを何も知らない初心者がまねをすると痛い目に会います。



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