「ナベさんの気ままなラジコン日記」(209)~〔ほこ×たて〕 私は広坂正美さんの意見を支持します! ~(2013/11/01)
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人気番組『ほこ×たて 2時間スペシャル!スナイパー軍団 VS ラジコン軍団』のやらせ問題が広坂正美さんによるネット上の意見表明により発覚しました。番組制作会社もテレビ局も広坂さんの発言の正当性を認め、そのことがさまざまな方面に問題が波及しています。
読者の皆さんも、もうご承知のことと思いますが、私なりに気になる事柄について意見を述べたいと思います。
以下、広坂正美さんの意見表明です。
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ラジコン愛好家の皆様へ ≪お詫び≫
2013年10月23日
2013年10月20日(日)にフジテレビ系で放送された、バラエティ番組 『ほこ×たて 2時間スペシャル!スナイパー軍団 VS ラジコン軍団』 にラジコン カーで出演した広坂正美です。今回偽造された編集内容が余りにも酷かった為、事実をお知らせする事に致しました。
まず、放送された内容は次の通りでした。
「スナイパーと ラジコンカーの対戦において、スナイパー が銃弾を命中させて勝利」
この内容は全くの作り物です。ラジコンボートの3連勝と、ラジコン ヘリコプターの負けは放送された通りですが、実際の撮影、対決の順番はラジコン ボートが最初で3連勝 !!
当初番組で決めていた対決のルールでは、ラジコンヘリもラジコンカーの対決もすること無く、ボートの3連勝達成時点で、ラジコン軍団の勝利が決定。番組は終了となる筈でした。
そこで編集者は、ヘリ、カー、ボートの対決も見せられるように順番の入れ替えを行いました。
しかし、ラジコン カーでは撮影中のアクシデントにより、事実上の対決は中止となったにも拘らず、放送ではラジコン カーがスナイパーに撃たれ負けた事にされ、最後の対決にボートが登場。結果は最後の対決、ボートの3連勝でラジコン軍団の勝利決定と放映されました。
ところがアメリカの撮影ロケ現場で起こったラジコンカーとの対決の真相は全く異なるのです。
放送された内容では、男性スナイパーのクリスさんが、ラジコンカーの広坂に勝利したことになっておりましたが、クリスさんとの対戦はしておらず、対戦することになっていた相手の方は女性スナイパーのレアさんでしたが、なんとスナイパーさえも入れ替わり取り決めも無視されました。
撮影本番前に制作会社側よりレアさんと私に次のルール1,2,3が提示されました。
1. 2分間一本勝負
2. 最初の1分間は撃ってもよいが、決してラジコンに当ててはならないという内々の取り決め
3. 実際の真剣勝負は残りの1分間で、1分間の中で3発のみ撃てる
(補足:放送では1のみが公表され、2 と 3は非公表でした。)
以上のルールで撮影がスタートしました。するとスタート直後の僅か数秒で、本来なら1分間は狙ってはいけないラジコンカーに向け銃弾が撃ち込まれたのです。予想外の銃撃により、弾がラジコンカーに命中してボディが飛び散り外れてしまったのです。更に2発目の弾がバッテリーに命中しラジコンがストップ、その後有ろう事か立て続けに連射、1分経たずにラジコンカーはバラバラに破壊されてしまったのです。撮影は一旦中断し、すぐにスナイパーが私のところまで謝りに来たので、「何故撃ってしまったのですか?」と尋ねましたところ、「弾が当たってしまいました。すると後ろからKILL(殺せ!)と言う声が聞こえてきたので、つい連射してしまいました。ごめんなさい」との返答でした。
その後、ラジコンカーを現場で元通りに直すことが出来なかった事もあり、制作スタッフに対し同番組への出演辞退を申し出ました。それと同時に、今度はスナイパー側より 「弾の数を5発に変更、もしくはショットガン(散弾銃)を使わせてくれなければ対戦出来ない」 との要求もあり、スナイパー側と、制作スタッフ側との折り合いもつかず、結局 「スナイパー VS ラジコンカー」の対決はここで中止となってしまったのです。よって「スナイパー VS ラジコンカー」の実際のルールに則った対戦は存在していないのです。しかも放映された男性スナイパーとラジコンカーの対決、撮影等は全く行われ無かったのです。
(補足:男性スナイパーのクリスさんと広坂の出会いのシーンで二人が会話をしている映像がありましたが、それは女性スナイパーがもし広坂に負けた時には、次にクリスさんが登場する予定だったため、事前に別途撮影していたものを上手く編集で繋ぎ合わせたものです。)
そしてこれらの内容を偽造して編集したものが10月20日に放送されたのです。
実は放送される直前に、制作会社の担当者より編集内容を知らされた際、あまりにも曲げられて作られていたため、編集責任者に対し「反則した相手が負けになるのであればまだ納得出来ますが、もしこの内容で放送された際には、事実を発表します」と忠告し、内容を偽って作らないよう要請していたのですが、非常に残念な事に偽造編集したものが放送されてしまったのです。
また私は今回までに同番組に3度出演していますが、2011年10月17日に放送された鷹との対戦も大変不本意なものでした。
「鷹がラジコンカーを追いかけて来ないので、鷹がラジコンカーに慣れるまで練習させた上で再戦して欲しい」、
「鷹が逃げるので鷹が追いかけて来るよう、ゆっくり走らせて欲しい」、
「本番の時にはカメラ写りが良くなるよう、カメラ側の敷地内を使って走らせて欲しい」
などとスタッフから要求されました。これでは捕まって当然です。現実はスタッフの考えとは異なり、勝負をするところまでいかなかったのです。事実はラジコンカーの圧勝でした!
更に、2012年10月21日に放送された猿との対戦の際には、猿がラジコンカーを怖がって逃げてしまうので、釣り糸を猿の首に巻き付けてラジコンカーで猿を引っ張り、猿が追いかけているように見せる細工をしての撮影でした。
私も、私が勤めるラジコンカー メーカーのヨコモも、これまでは、『ラジコンの認知度を上げたい』『ラジコンを普及させたい』 との強い想いで、制作会社からの度重なる無理な要望にも出来る限り応えて参りましたが、今回の編集内容には愕然とし大きなショックを受けました。
この様な番組に出演していたら、ラジコンのイメージダウンだけでは無く、想いとは裏腹にラジコン愛好家の皆様にも多大なるご迷惑をお掛けする結果となってしまいます。
放送開始当初の『ほこ×たて』は、斬新な企画で、「人対人」、「企業対企業」の真剣勝負での対決だけに見る人の目を釘付けにしました。視聴率が高かったのもうなずけます。人気番組であるだけに、私共も多大なる期待と希望を持っておりましたが、昨今では余りにもひどいやらせ番組に成り下がってしまった為、今回のようなご報告をしなければならなくなりました事、非常に残念な気持ちと悔しい思いで一杯です。
最後に、フジテレビさんには放送開始当初の輝いていた人気番組 『ほこ×たて』 の再興を強く願っております。
2013年10月21日(月)
広坂 正美
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それでは私が気にかかったことを述べます。
1 スナイパーって、いったい何者?
まず、私が最初に疑問に思ったのはスナイパーってどんな人なのかということです。
報道によると、元軍人やら世界チャンピョンらしいのですが、それだけの腕前の人が「弾が当たってしまいました。ごめんなさい」はないだろうと思うのです。
例えば事件現場で、人質を取った犯人を狙っていて「弾が人質に当ってしまいました。ごめんなさい。」では済まされないはずです。
いったいどんなスナイパーだったのでしょうか不思議でなりません。
2 スナイパーの悪意
この番組はスナイパーの射撃技術とラジコンカーの操縦技術との対決なのです。
対決には必ずルールがあります。ルールを守らなければ対決も成立しません。
最初の1分間は撃ってもラジコンカーに当てない約束なのにバカスカ撃ちやがって。
本当に勝負する気持ちがあるのか、それとも単にラジコンカーを壊したいのか、何を考えているのか判りません。
ルール無視の連射により、自身のラジコンカーが粉々に壊れていく様子をじっと見守るしかなかった広坂正美さんの心境を思うと、私も憤りを感じます。
仮にスナイパーたちの愛用する銃を目の前で破壊してやったら、彼らには「ごめんなさい」では済ませてくれないでしょうね・・・。
3 優柔不断な製作スタッフ
先ほども書きましたが、対決にはルールが必要です。
最初にルールを作り、スナイパー軍団もラジコン軍団も、それに同意することを条件に対決することです。
スタッフ側も途中で考えが変わらないように同意書にサインをさせるくらいの用意が必要です。
それをしないからスナイパー側より 「弾の数を5発に変更、もしくはショットガン(散弾銃)を使わせてくれなければ対戦出来ない」などというおかしな要求が出てくるのです。
彼らは競うつもりはなく、単に勝ちたいだけだったんだと思います。
製作スタッフも真剣勝負を撮りたいのなら、何があってもルールの変更をしてはいけません。
4 勝敗の判定は?
これは誰が見ても広坂正美さんの言うとおり、スナイパー軍団の反則負けです。
スナイパー軍団は反則を犯しラジコンカーをバラバラにして競技不能にしたのですから。
陸上競技で1位になったとしてもドーピングが発覚したら失格なのと同じです。
5 どこまでも軽視されるラジコンカー
スナイパー軍団は、初めから勝負する気はなく、ただラジコンカーを壊したかっただけと捉えられても仕方がありません。
ルールを無視して「KILL(殺せ!)」と叫んでいるのですから。
彼らにとって、そんなにもラジコンカーって憎むべきものなのでしょうか?
製作スタッフもスナイパー軍団とラジコン軍団の勝負より視聴率を取ることを最重視していたのでしょう。テレビに出させてあげているんだから(事実と異なった番組にしても)文句言うな!という態度が見えて取れます。
6 広坂正美さんの苦悩
私は広坂正美さんは勝負に負けたように編集され、放映されたから激怒して意見表明をしたのではないと思っています。つまり、そんな単純な話ではないと・・・。
広坂さんの意見表明の中に、猿の首に釣り糸を巻いてラジコンカーで引っ張ったという内容があります。やらせ問題を公表するとひょっとして自分も動物虐待の片棒を担いだと思われるのではないかという心配もあったと思います。つまり、それだけのリスクを背負っても公表すべきだと。
事実と異なる内容がまことしやかに放映されているテレビ番組の実態をみなさんに知って欲しかったのだと思います。
しかし、世論は番組制作会社やテレビ局に非難の矛先が向いて、出演者は被害者として扱われているので私も安心しました。
7 では、どうしたらよいのか。
とにかく、どんな堅物だと思われてもコンプライアンス(法令順守)に徹してルールを守ることです。
「猿の首に釣り糸を巻いて引っ張ってくれ」と言われたら「動物虐待にあたりますから、そんなことはできません!」と。
「ラジコンカーとヘリの対決の映像も撮らせてくれ」と言われたら「すでにボートで勝負はついています。もう対決は終わっています」とかたくなに断り続けることです。
相手がいくら編集でごまかすことのプロでも、映像がなければ何もできない訳ですから。
8 まとめ
私は、今回の事件はスナイパー軍団にも製作スタッフにもラジコンが軽視されたんだと思います。
つまり、舐められたのだと。
製作スタッフ側から見ると、〔あいつら、何だかんだ言ってもテレビに出たいだけだから、こちらの言うことを聞くよ!〕とか〔ラジコンなんて所詮おもちゃの延長なんだから、そんなに目くじら立てることもないのに・・・〕という意識が働いたのだと思います。
それでなければ、広坂正美さんがあんなに警告したのに、それを無視して放映するはずがありません。
それでも、今回の事件で少しは彼らも薬になればよいと思います。
このネット社会においては、たったひとりの人間が真実を語れば、社会にこれだけ大きな影響を与えるるということをよく知っておくべきでしょう。
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